Farm Canningとの出会い その前夜

ひので食堂を逗子・渚小屋で開業するきっかけを作ってくれたミラクルメーカーFarm Canningとの出会いを振り返ります。

Farm Canningは、逗子を拠点に市場に出せない規格外野菜を農家さんから直接買い取り、無添加で食卓に便利な瓶詰めを作る集団です。

瓶詰め製造の他、「もっと畑を日常に」をモットーに、横須賀・葉山の湘南国際村の一角(といっても7ha)で農業を営む森と畑の学校でのスクール事業や、農家さん向けに瓶詰め加工の講座の開催など多彩な活動を展開しています。

この瓶詰めスクールに、2016年4月から1年間ほど通い、年間を通した畑づくりと収穫される野菜の瓶詰め加工のあれこれを学んでいました。
春は葉物や新タマネギ、夏にはトマト、ナス、キュウリなどの夏野菜。。。当然、冬には、トマトやレタスは畑にはなく、自然の中で育つ季節ごとの野菜のあれこれと、そのうま味を引き出しながら長期保存可能な瓶詰め加工を学ばせていただいたことは、大きな収穫でした。

そのFarm Canningにたどり着いたのは、さらに森と畑の学校のクラウドファンディングに遡ります。

2015年の春、森の再生と里山づくりを掲げたクラウドファンディングの記事を見つけます。何気なく読むと「湘南国際村」という場所に目が止まりました。
湘南国際村は、バブル期に開発され企業研修施設や教育機関、住宅が整備された新しい街です。バブルが過ぎ、土地神話なるものが本当に神話だったのか?という時代に入ると、さらなる開発は断念され未整備部分の土地は神奈川県に民間事業者から寄付された、と聞いていました。
私も湘南国際村に住宅地開発の視察として訪れたことや、また企業用地の販売パンフレットの作成に携わっていたこともあり、正直「あの湘南国際村で農業を?」と疑心暗鬼の混じる興味がわき、「農業生産法人パラダイスフィールド」と名乗る団体を応援したくなったわけです。

このクラウドファンディングをきっかけに森と畑の学校を訪問する機会が増えました。非常にユニークな畑で、自分で収穫した野菜を計量し、その代金を払う「畑のスーパー」方式をとっています。

夏のある日、ハチミツ収穫のWSがあるということで、当時3歳くらいの甥っ子を連れて畑に行ったところ、彼にとっては、ハチミツを収穫することはもちろん、生まれて初めて、舗装されていない道を歩く、という体験をしました。

道なき道をまさに手探りで歩く。現代の3歳児でもできるもんなんですよね。遊び場所は整備された公園が当たり前の時代に、野原で土に触る、というのは貴重な体験です。

私が子どもの頃には、当たり前のようにやっていたことが(横浜市出身ですが、当時は田畑や雑木林が近所にあり毎日遊んでいました)、宅地開発の拡大と縮減の時代を経て再び、次世代の体験の場となっていく。

20年以上、都市開発の場で仕事をしてきた中で、「この次の世代の開発はどうなるのか?」と、この数年考えてきた私にとっては、ひとつの解に出会えた気がしました。

巨大資本が為しえなかったことを、ほぼ一個人の組織が、自然と向き合いながら、粛々とやっている。

土地も野菜も、市場性がない、と切り捨てられたものに価値を創り出す。

これって、すごいことじゃないですか?

大企業も大規模開発もあるべき存在と思いますし、彼ら(彼女ら)が果たすべき役割は非常に大きいし、どんどん突き進んで欲しい。
それと同じくらい、個人が、どうやって、存在しないものと見なされたものに価値を見いだせるのか?創り出せるのか。
これが、これからは多様性の時代といいつつも、クリーンで均質なものを好んできた自分にとって、ひとつのテーマとして降り注いできたことでした。

Farm Canningとの出会いはまた次回。

長い文章を読んでいただき、ありがとうございました。
みなさまにお会いできることを楽しみにしております。

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